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第78話
《今日も酒盛り??……》
9月30日
ちょっと反省しています。
私に酒を付き合い過ぎ
祖父が体調をくずしてしまって……
でも大したことがなく良かったです。
祖父は少しカゼ気味だったのを
隠していたらしく、両親の頼みに
私に遅くまで付き合ってしまったのが原因です。
実は、私がアルコールに強いこと、
だからつまりノンベエなこと(第51話)、
両親は知っていたんです。
それどころか、いつもの祖父との飲み会は、
2人の企てだったんです。
祖母が亡くなって以来、まだ中学生だった私が
祖父の話し相手をしてきたから、私は私なりに
「祖父が楽しみにしているから」
「喜んでくれるから」
と思っていたのですが、両親は祖父の子供として、
「父が楽しみにしているんだから」
「これも親孝行」
と。そして私の親として、
「何か落ち込んでいるようだけど」
と、私の様子を心配して
祖父に飲み会を持ちかけていたらしいのです。
部屋でひとり考えました。
家族のこと、仕事のこと……そして
「やさしさって何だろう?
自分はどうだったんだろう?」って。
「人にやさしく」なんて、
「いつも笑顔で」なんて、
本当にできていたんだろうか……
色々な人の顔が浮かんできました。
わたしは余り親孝行ではなかったみたいです。
これからは父や母も一緒に
にぎやかな飲み会にしたいと思います。
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今日も白鳥が
やっぱり
にぎやかがいい
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第77話
《白鳥って冬の鳥? その②》
9月28日
10日ほど前から大空高く白鳥の飛来が
観られるようになりました。
本当なら冬を知らせる鳥なんだろうけど、
第5話でも書いたように、
この地域では“春を知らせる鳥”としか
イメージしていませんし、
そもそもみんな関心すら持っていないみたい。
「なぜなんだろう?」
って考えたんだけど、
私なりにいくつかの理由が浮かびました。
一つ目は、まだ冬を意識できないこと。
大雪山系に初冠雪があったとはいえ、
晴れた日は日中汗ばむし、
辺りの景色はまだ紅葉にもなっていません。
それに白鳥は春とは違い
この近くには逗留しないみたいだし。
二つ目は、農家など稲刈りで大繁忙期。
白鳥に感傷を抱いているゆとりがないのです。
三つ目は、これが最大だと思うけど、
“冬”なんて考えたくもないこと。
3月初旬の本州からの飛来は、
雪に閉ざされた真っ白い世界が3ケ月も続き、
みんな春に恋こがれている頃です。
そんな時、明るい春の訪れを知らせる
白鳥の編隊が次々に飛来するんですから
……おわかりでしょう?
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早朝の空を
夕空を
鶴沼公園にも
いませんね
まだこんな景色だし |
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第76話
《秋鮭・鮭は釣るものだ……って?》
9月26日
別名秋あじ、鮭のシーズンです。
この地域の川はやはり石狩川、
その支流として空知川や徳富(とっぷ)川
がありますが、
東京など遠くから来た人が
流れをのぞき込みながら、
「鮭の遡上はいつごろなんでしょうか?」
なんて聞いてきたりします。
一瞬わたしなんか言葉がつっかえて
どう返事していいかわからなくなるのですが、
それは私がそれを見たことがないからです。
「鮭はこの近辺にも遡上してきている」
とは云われているのですが、
周りに聞いても最近はどうも……
「天然産卵ものが減ったから、川を覚えていない」
という意見もありますが、
それも根拠があるわけではありません。
遡上を確実に見るとすれば、やはり日本海側の
浜益や増毛に行くことになります。
ただそこで、遠くからの旅人からすると
妙に感じる光景を目にすることがあります。
鮭を海岸や河口付近で釣っているからです。
それも疑似エサのルアーで。
鮭は遡上の際、一切食べ物を口にしないのですが、
河口付近で真水に体を慣らしている時は、
まだ本能でか、エサ食いついてしまうというのです。
知床の羅臼なんかに行くともうお盆ころから。
鮭釣りには許可がいるのですが、
河口によっては解放されているところもあります。
あの大きな鮭だけに、
釣り人にはたまらない魅力なのでしょう。
先日、父と祖父が挑戦したのですが、
「成果、どうだった?」
って聞いたら、二人とも
「うーん」
とうなっただけで、後は黙ってお酒を……
母が向こうで
「ダメダメ」
と、あわてて手を振っていました。
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浜益鮭まつり
おちゃめな3人
看板むすめ |
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第75話
《新十津川町って何の町?》
9月23日
これといって特徴はないけど、
わたし的には
「北海道一の米どころ」って思ってるわ。
銘柄は“キララ”から始まって
“おぼろづき”“ゆめぴりか”など
東京の義叔母なんか
「最高!!」
って、いつも電話で。
近所でもファンが増えてるんだって。
あと酒米、つまりお酒の原料に適している
お米の生産が多いのも特徴。
日本酒にはお米の芯の白い部分が大きいほど、
酒造好適米と云われているらしいんだけど、
これが採れるのが主に棚田、
つまり山裾から段々に下っていく田んぼ。
“清野ファーム”(第59話)のトマトと同じように、
広葉樹からのミネラル一杯の沢水が良いのかも。
十津川村大水害が明治22年でその秋に移住、
実際の開拓は翌年春からだから、
最初に入植した大和地区の碑に刻まれている
「ここから稲作が始まった」
という明治26年は開拓から4年目。
“ひぐま”も出没する大木の原生林を切り開き、
もっこを担ぎ石を岩を取り除き
クワひとつ、夫婦力を合わせて耕して、
堤を造って水を引き、
そこで初めて田植えができたことになります。
その場所にはやはり夫婦山からの
透き通った沢水が今も豊かに。
こういうこともあってかその水は
“夫婦山霊水”
として皆から崇められたのかもしれません。
でも、その年の収穫はどうだったんだろう?
母村の十津川村も山岳地帯で田は少なく、
当時お米をおなか一杯食べれるなんて
お正月やお祭りの祝いごと位、
それが最大のぜいたくな時代だったろうから、
例え一握りの収穫だったとしても
祖父や両親の姿を見てると、
籾米を手のひらに乗せた時の感激って……
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今年も豊かな実りが
棚田
全てはここから
後は夫婦山
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第74話
《ちょっと おわびを。お宝スタンプ》
9月21日
昨日の駅スタンプ、
重大な誤りが。
Lovelyのスペルが
loveryになっていました。
これでは意味が通じませんよね。
私の日記でも後で気づくことが
たびたびあるんだけど、
今回の場合は完成するまでに
私含め数人が何度か見ただけに
ちょっとお恥ずかしい感じです。
使い慣れてない英語だったせいか、
それともそれが筆記体だったせいか……
でもね、ミスプリの記念切手に
価値があるって言うでしょ?
だからすでに押印した人、お宝に? って
思ったりしたけど、だめかなあ……
今日修正に出したので
しばらく休憩になります。
それもごめんなさいね。
追記
22日午後 駅スタンプは修正されて帰ってきました。
よかった よかった。
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限定6日間だけの
お宝スタンプ
列車、見えますか?
また台風が心配 |
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第73話
《駅のスタンプ、できたんだよ~》
9月20日
右の写真をごらんあれ、
これが待ちに待った新十津川駅の
ニュースタンプ!!
以前と言うか、昔あったらしいんだけど、
廃棄してしまったのか行方不明。
ただその押印を持っていた人がいたので、
それを参考にみんなで相談し
少しアレンジしました。
“Lovely Station”
スタンプ台もスタッフのオリジナル、
格好良いでしょう。
「せっかくだから日付も押せるように」
って、それ用のスタンプも。
9月16日金曜日の朝、
スタンプが病院に到着。
そしてすぐ駅に置いたんだけど、
残念、もう一番列車は行った後でした。
「じゃあ昼の列車の人が第一号になるかな?」
って見てたら、あらまあ何か月ぶりかの無人、
残念、ダブルでガックリ。
ただ、車で来て写真を撮っていた人たちはいたから
「もしかしたら」
とは思うけど、
近くの人だったら押してないだろうな。
最終便は見られなかったし、
次の日は一転旅人が多かったし、
はてはて、じゃあ一番最初に押印したのは
誰なんだろう?って、話題に。
アレッ?……このサンプルでもらった写真、
日付が何だか傾いてない?
わたし、自分をけっこうアバウトな性格とは
思ってるんだけど
今日はちょっと気になっちゃった。
みなさんは気をつけてまっすぐに押してネ。
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先週週末の様子
キバナモスモスも
にぎやかに |
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第72話
《“新蕎麦”もう食べましたか?》
9月17日
日本の食の代表的・伝統的一品、日本そば。
その起源は古く、西暦723年の書物にも
記述があるくらいだから、
奈良時代(西暦710~)以前からだろうって。
すると、1300年以上前からってことに。
本当に、これすごい歴史ですよね。
ただ現代は原料ソバの80%位が輸入。
そんな中にあって、
国内生産の約35%を占める北海道産。
特に新十津川町とその周辺は有力生産地。
車を走らせると至る所、
一面見渡すかぎりに白い花の“ソバ畑”が。
これはこれでとてもきれいなんだよ。
“蕎麦どころ”信州長野県でもわかるとおり、
ソバは山岳地帯急斜面の畑でも、
乾湿、暖冷、高低、場所を選ばず
また栄養素の薄い開墾地でも育ち、
種まきから収穫までわずか2、3ケ月というから、
開拓当時からきっと重宝がられたんだろうと思うの。
そんな事情もあってかどうか、
新十津川町や周辺市町村は生産だけでなく、
手打ちそば屋さんが多いところです。
それが町中だけでなく、
「えっ、こんな場所に!?」
って、へんぴと思える郊外にまで。
地域発行の“蕎麦どころマップ”にもそれが。
さあさあ、今年の“新そば”が出始めたよ!
札幌ラーメン、旭川ラーメンもおいしいけど、
秋の風景を楽しみながら
“日本そば”めぐりっていうのも良いわよ。
それにこれ、とっても健康的でしょ?
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金滴酒造祭りで
手打ちそば実演
新そば、おいしそう
こんな看板も
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第71話
《風のふくまま気の向くままに……》
9月15日
この日記を始めて半年、
私の一方的な語りだけに、
「これでいいのかな?」
「誰の役にも、何の役にも
たっていないんじゃないのかな?」
なんて気にはなってるんだけど、
最初私に話があった先輩からは
「このまま、このまま走って」
って言ってくれるから、
だから、
「まあ、いいか。走るのはとくいだから」
って、いつもの私に。
アクセス数がどのくいらいあるかって
担当者はどうもわかってるらしいんだけど、
私には聞かせてくれないし、
いえ知りたくないし、
それは“それなりに、それなりに”
じゃないかって勝手に思ってま~す。
「それなりに」
これも私の好きな言葉。
ただ一つ残念なのが、仕事があって、
直接取材に行けなかったり、写真を誰かに
お願いしなければならない場合があること。
「少しでも多くの人に楽しんでもらえるように」
「もっともっと自分で挑戦を!」
と思って、右の写真を撮ってみたんだけど、
意図が何だかわからない……って??
エエ~ そうかなあ
宮崎駿監督作品の“ジブリ”アニメが大好きだから、
これでも「トトロ」の電車のつもりだよ。
だめかなあ……
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一番列車
始発じゃなくて
折り返し
皆でお見送りだよ
病院内保育所の
こどもたち
遠くに列車の光が
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