第261話
《新十津川町発 キタキツネ物語 ??》
2012年11月30日
キタキツネ物語って確か映画のタイトルに?
DVDで観た記憶があるもの。
観たでいうと、新十津川町でも色々な場所で
そう、キタキツネそのものを。
右の一番上の写真は新十津川ダム
せき止め口のすぐ横、急なガケ地を
ひょいひょいという感じでのぼってしました。
本当は別の写真を撮ってた時だったんだけど
背後で何か音がするから
何だろうと振り返って見上げるとすぐそこに。
もう一枚は昨年、日本海めぐりからの帰り
「今日はいつもとちがう道を」
って厚田方面から山越えしてたら峠近くで。
ただカメラを向けたら車の後ろに回り
どけたら今度は前に来て
どうも、カメラが嫌いらしくて
だから上手く撮れませんでした。
それと、新十津川町でも時に見かけることが。
頭が小さくてしっぽが大きくて
初めて見た時なんか
「変な犬」
って思ったんだけど
祖父が「キタキツネだよ」って。
病院に長く勤めている人の話だと
以前というか、10年ほど前
新十津川駅横の林の中にも家族で住んでたって。
時々駅舎やホームに現れてたんだって。
残念ながら今は見かけたことないけど
昨年、学園通りを新十津川幼稚園方向に向かう途中
総富地川の橋横にいたのを見た事あります。
逃げもようともせず、車を止めた私を逆にしばらく。
滝川市の市街地など人の多い場所でも
けっこう目撃情報があるから
旅の人だってチャンスがあると思うわ。
第260話
《アリとキリギリス
そしてステキな笑顔》
2012年11月28日
外はもう雪景色
吉田拓郎さんの歌(216話)じゃないけど
たんぼのカエルはもういません
それにトンボだってカマキリだって。
こんな初冬の時期に似合うというか
思い出すのがイソップ寓話
「アリとキリギリス」のお話です。
その内容は
いつも音楽ばかりかなで遊んでいたキリギリス
それを横目に一所懸命働いていたアリ
それが雪降る季節となり
キリギリスは飢えと寒さにふるえながら
食べ物いっぱい暖かい家で暮らすアリさんを
訪ねていくといった教訓的物語ですが
いつもは明るいある患者さんが
「私は自分なりに一所懸命生きてきたつもりだけど
アリみたいにお金も資産も残せなかったし
これで良かったんだろうか
自分はキリギリスだったんだって思う事が……」
ってさみしそうに。
でも私、その時ふと思ったんです。
確かにキリギリスは
何もたくわえをしてこなかったけど
いつも美しい音楽をかなで
周りの皆を明るく楽しくしてきたんだから
それはそれで素晴らしい人生じゃなかったのかって。
私たち病院の日常はコツコツ一所懸命
その点ではアリなんだけど
「花飾り委員会」「明日も楽しみに委員会」など
別の面というか
特に私なんか絶対にキリギリス
でもそれが良いんだからって。
その患者さんですか?
本当にステキな笑顔を返してくれました。
第259話
《北海道は「ばんえい競馬」 ばんばだよ~》
2012年11月26日
北海道独自と言うか世界で唯一
通称で「ばんば」とも呼ばれている
「ばんえい競馬」
帯広市のばんえい十勝が有名だけど
色々調べてみると昔は北海道全域
そして東北地方でも盛んに行われていたとか。
「そういえば岩見沢市にも」
と、岩見沢駅のホームにある
馬のオブジェやNHKドラマの話をしていたら
「昔はこの辺りでもけっこうそこここで」
と新たな情報が。
ここ新十津川町は米農家が多く
馬に関連しそうな牧場はみかけないのだけど
「ばんば」に出場する馬は
一般にいう競馬のサラブレッドとは違って農耕馬
だから農業機械が普及するまで
広い耕作地には馬が絶対不可欠だったらしく
ほとんどの農家で飼っていたそうです。
その体重は800キロ~1200キロと重量級
だから勝負の競いは速さではあるものの
重い荷物のソリ運びだからパワー勝負。
東北地方などでも「曲がり屋」と言って
家族同様一つ屋根の下で暮らしていた馬
農繁期が終わり、各自この自慢の馬で
「いざ勝負!」
また地域のレジャーにもなっていったのでしょう。
で、これ牛にもあるとか。
ただ馬とちがって闘牛
角を合わせてのぶつかり勝負です。
だから「すもう」と同じくチャンピオンは横綱に。
競馬は馬券でゲームに参加できるから
闘牛でもきっと同じだったんだろうね。
だからこそよけいに盛り上がるのかもよ。
第258話
《歌ってふしぎ そして旅の……》
2012年11月24日
「歌ってふしぎだよね」
って第155話で書いたけど
最近、もっとそれを感じるように。
というのは「明日も楽しみに委員会」で
患者さんたちのカラオケ大会を開催するんだけど
前回寝たきりの患者さんが
そのままの姿勢で高校3年生を歌ったんだって
それも本当ににこやかに元気よく。
そうしたら、他の患者さんたちも
すごく盛り上がってきて手拍子で大合唱に。
これ、考えたらうちの家族も同じ
誰かが歌ってる間に盛り上がってきて
後は大宴会になっちゃうもの。
で、その日もやっぱり患者さんたち
次から次にマイクが渡っていって
皆で「北国の春」を歌って
子供たちも入って
いつもの「明日があるさ」になったって。
もちろん笑顔いっぱい会場からあふれ出るくらい。
歌ってリハビリにも大きな効果があるんだって。
筋肉運動として直接的に
そして内面的精神的にも
それらを活性化する分泌物が体中に
いっぱい循環して能動的になってくるって。
そんな話をしてたら
今日も先輩が憂(うれ)いの表情で外を見ながら
「歌は旅にもいいのよ。移り行く車窓をみてたら
ふとメロディーが浮かんできて……」
そうか、そうなんだ。
だってそれが列車の、そして旅の良さ
だから「旅は楽し」だよね?
ですよね、先輩?……?
第257話
《今初雪が……エエッ~!! ってもネ ②》
2012年11月21日
初雪に対するここ中空知の人たちのブルーな
「エエッ~!?」
前話でその理由を雪の処理の問題がって書いたけど
たぶん、これは北海道の人たちだけでなく
新潟県、山形県、秋田県など
日本海に面した豪雪地帯の人たちは
みんな同じじゃないかなあ。
これ街中にある家はまだましなんです。
公道は毎朝、午前5時ころには除雪車が来て
夜間に積もった分は取り除いてくれるから
出勤・登校前に
玄関と車庫前の除雪をすれば何とかなるんです。
だけど農家の場合はその多くが
公道から奥まった場所に建物があって
それも中には公道まで100m以上距離があって
その部分は自ら除雪をしなくてはいけないからです。
だから積雪が多い山際の農家なんて大変
冬の間、街の団地で暮らす人もあるくらいです。
こんなことがあったって。
00さんか家族で食事に出かけたんだけど
ちょっと長居してる間に大雪になったらしく
途中車が立ち往生してそのまま置き去り
ただ家に近づこうにも益々雪が深くなってきて
足はとられるし
ご夫婦で子供を抱きかかえながら
雪をかきわけ、又かきわけ……
「ほんと、遭難(そうなん)しそうだったんだから」
なんて笑い話みたいなエピソードまで。
でも、だからこそ雪と共存
「雪を楽しまなくっちゃ」って皆で。
そう思うしかないんだものネ~
第256話
《いま雪が……エエッ~!! ってもネ》
2012年11月19日
今、窓の外は雪
「雪虫が現れると2週間後に雪がふる」
って第249話(11月2日)で書いたけど
16日の朝にはチラチラ降ってたって言うから
「新十津川駅で雪虫を見た」
って言うその日からちょうど2週間目
だからやっぱりねっていうか
そうです
いよいよ長い冬が始まっちゃいました。
ただそれでも今年は札幌では100年ぶり
旭川では観測史上一番遅い雪とか
それなのに東京の従妹なんか
「エエッ~雪!?」
だからね。
でもこの表現、この地域の人たちも
同じようにするんです。
「エエッ~雪!?」って。
ただ、これ字にして書くと両者に同じだけど
中身は全く違っていて
実際に音(おん)で聞くと、従妹なんかのは驚きの
「エエッ~!!」
だけど、ここ中空知の人たちのは
落胆と言うか、あきらめと言うか
「そうか、とうとう来ちゃったか」
というブルーな
「エエッ~」
っていうわけなの。
だって来年4月中旬までずっと雪景色なんだから。
いえ、雪景色はそれなりに情緒があって
雪ふる月夜なんて最高だし
わたし個人的には嫌いではないんだけど
問題は積もった雪の処理なんです。
この説明、詳しくは又にするけど
実際、本当に大変なんだからね。
第255話
《エゾシカの悲哀 どうしたらいいの?》
2012年11月17日
この前ヒグマの話題をした以上
今度はエゾシカをやらないとね。
クマは足跡しか見たことないけど
エゾシカなら何度もあるんだよ。
「どこで?」
って、だから知床半島で。
えっ? ちがう?
そうか、この近辺で見られる場所なのか……
じゃあ見たことないんだけど
病院のスタッフには結構いるみたい。
それがクマと同じように
新十津川町エリアではなく
砂川市だっり赤平市そして奈井江町だったり
それらは石狩川の川向こう東岸方面だから
やっぱりエサ場の広さに関係あるのかも。
ただその季節は色々で、冬場なんか雪の中
走ってる車の前に突然だったりするらしく
感激なんていうより驚き
どっちかというと事故の恐怖の方が先だったみたい。
「でもかわいいんだよ」
なんて、鑑賞するにはそうなんだけど
シカの被害も多くなってきてるらしく
オオカミを放つなんて奇策?も提唱されたり
とりあえず来春までに数百頭を捕まえるって。
つまり、だから……
そうか、こんな感傷的なこと言ってるから
きっとダメなんだよね。
被害にあってる人がいて
実際に森林が荒れてきている結果だから
しかたがないんだもんね。
というわけで、何となく
今日は歯切れの悪い話題でした。
第254話
《チューリップ 追加で植えたけど
やっぱり騒がしい?》
2012年11月15日
昨年植えたチューリップの球根
最終的には14,000個ほど
駅ホーム斜面を含めた周辺や病院周り。
5月には一面いっせいに咲きほころんで
それなりに一体感があって
また艶(あで)やかにもなったのだけど
「ポイントポイントで何か変化があった方が」
との新たなリクエストで
この秋少し違った種類4000個ほどを追加したんです。
ただそれは良いとしても
「去年の球根から、果たして来春
どれだけ芽がでるんだろ?」
って心配も。
というのは、花が終わった球根を
土の中にそのまま残したからなの。
「チューリップの球根は
一度土から取り出して保存する」
とは聞いていたんけど
時間的にも保管場所も大変なことから
駅周りはほとんどそのままに。
念のため、植える時に一部掘り返してみたら
何とかそのまま残ってる物
何個にも分割というか
球根の数が増えてるのだけど小さい物など。
この場合どうなんだろうね?
またステキな花を咲かせてくれるのかな?
わたし的には
期待と不安が入り混じってる感じなんだけど
先輩なんかは
「大丈夫よ、植えたのが良い女ばっかりなんだから」
なんて意味不明?のお言葉
ホント、いつもここから大騒ぎになるんだもの……
第253話
《にぎやかに フィナーレ!!》
2012年11月12日
先週10日の土曜日
既報通りお昼の便で今年最後の歓送迎踊り
フィナーレを飾るにふさわしく
バスツアーの人たちもいて
とてもにぎやかなものに。
それに、またお菓子までいただいたり
中には
「これ知ってたら自分も持ってきたのに」
と残念がられる人もいたり
「ありがとう」
って感謝の声もかけられたりで
子供たち、とてもうれしそうでした。
そうだ、八雲からこられた保育士さん
以前札幌からこられた保育士さん
志を同じくする方々から励まされ
保育所の先生達も大感激でした。
子供達は昨年夏以来
新十津川駅を訪れる色々な人たちと出会い
皆さんの笑顔、やさしさに触れ
そしてそんな温かい見守りの中で
人としても大きく成長してきたこと
保護者の方々はもちろんの事
スタッフ一同深く感じています。
本当にありがとうございました。
来年春、雪解けを待って歓送迎踊りを再開
それまでにもっともっと練習して
旅の人たちに喜んでもらえるよう
先生ともどもガンバルって子供達。
またどんなに進化してるか
みなさん、要ご期待だからね~!!
第252話
《ドン・キホーテ 風車は回る回る?》
2012年11月10日
スペイン、16~17世紀の作家
ミゲル・セルバンテスの小説ドン・キホーテ
世界でも聖書の次に多く出版され
史上最高の文字百選で1位に選ばれた大ベストセラー。
主人公は風車を敵の巨人と
まちがえてというか、みなして挑むのだけど
むなしい結果に。
この風車、海を干拓して国土を広げた
オランダの国を象徴する物
そしてその大きな役割の一つが
海面より低地の水を海にくみ出すためとか。
でも、同じような物が日本
いえ北海道にはあちこちに
それも低地ではなく高い丘の上に。
理由は風力発電。
新十津川町から吉野方向に山を越えた日本海
そこに面する留萌(るもい)市にも
この風車が立ち並んでいます。
再生可能なクリーンエネルギー
原発の是非についてここでは意見を述べませんが
まだまだ改善余地はあるものの
こういった施設が増えることには共感を。
先日、シャケの遡上を見に行った時
これら風車の周辺を見学してきました。
夕日でも有名な留萌市の黄金岬から
そして稚内方向に海岸通りを走りながら。
風車は日本海からの風に向かって
悠然と羽を回していました。
ホント、近くで観るとそれは巨大
これじゃドン・キホーテもかなわないかも。
でもこの景色、何かふしぎ
一度は必見かもよ。
第251話
《子供たちも緊張気味に……》
2012年11月8日
第247話で書いたように
旅の人たちへの子供たち歓送迎が
新十津川町を元気づけてくれたって
観光協会の会長さんからお礼のお菓子セットを
町長さんからも
「笑顔ありがとう」
ってねぎらいと励ましの言葉を。
ただ、その場所が町長室で
しかも新聞社のカメラがあったり
テレビカメラが回ってたりで
子供達、いつもと違う雰囲気に
何かとても緊張気味だったって。
でも、ほんと良くガンバッテくれました。
先日、病院を訪れた人が
「ああ、あそこが保育所なんですね。
一度、子供たちの踊りを見たくって」
って、そんな事を言ってたって聞いたんだけど
新十津川町や周辺の町の人たちだけでなく
旅の人からもお菓子をいただいたり
わざわざ札幌市から来ていただいたり
私の祖父までもが見に行きたいって言いだすくらいで
そんなこんなで子供たちも先生も
ますますファイトいっぱいアイデアいっぱい
大いに盛り上がっているそうです。
さあ、今年最後の歓送迎踊り
11月10日(土)のお昼の便だからね。
ここは晴れ女・良い女?ばかりだから
天気予報も良さそうだし
一所懸命踊るから
旅の人たち、期待しててね~!!
第250話
《クマが出た~??らどうしようって》
2012年11月6日
変なタイトルでしょ?
別にクマが現れたわけではないんだけど
「シャケ」や「雪虫」に続けて
北海道ぽい話題が良いんじゃって、今度はクマを。
ただ、他の動物なんかと違って
「クマを実際に見たい」
なんて言っても、北海道のクマはヒグマ
体長は大きい物だと3メートル近くあるっていうから
本当に出くわしたりしたら大変だよ
命にかかわる問題なんだからね。
幸い、かく言う私も、父や母、祖父ですら
動物園以外では見たことないって。
でもニュースなんか観てると
札幌市に現れたとか(昨年も・第83話)
お隣の砂川市や富良野に向かう途中なんかに
「クマに注意」
とたて看板があったりして
今年も結構身近でクマの話題が出てきます。
でも新十津川町では余りこの話は。
これはたぶん、私の個人的意見でしかないのだけど
前にも書いたけどエサ場の広さじゃないかって。
新十津川町の山々は日本海に向かって深いからです。
だけど一度だけ、クマの足跡を見たことがあります。
やはり新十津川町ではなく
もっと日本海側の海に近い辺りの道路近く。
シャケを狙ってなのか何なのか
川辺から少し小高い丘に登ろうとしてた時で
父に注意された時は、さすが体が固まりました。
良く見ると近くにその注意書きの看板もあったり
「いるんだ!!」って。
第249話
《雪虫、オオワタムシ……何のこと?》
2012年11月2日
みなさん、雪虫って知ってますか?
今の季節に群生して飛んでいる
とっても小さな虫
歩いている時その大群に出会って
目に入ったり、ちょっと困る事もあるんだけど
この名前の由来は
この虫が雪のように真っ白い事から。
えっ? 内容があたりまえすぎてつまんない?
そうかも……
確かにここまでは、「ああそうなんだ」
って言う位の話なんだけど
もう一つ雪にまつわる話が。それは
「雪虫が現れると2週間後には雪がふる」
と、ここ中空知の人たちは
冬の、雪の到来を知らせる虫だと思ってるんです。
道外から来た人たちの中には
「それって気分的なものじゃ?」
っていう人もいるけど
ほんと、これよく当たるんです。
で、この雪虫らしきものを新十津川駅で
見たって00さんが言うんだけど
気温や周りの景色からして
「やっぱりまだじゃ?」
っていう意見の方が多くて
じゃあ確かめようって先輩と私が代表で。
そしたら駅舎とホームの間に
「ああ、いました!!」
まだ数は少なかったけど
フワリフワリ風に飛んでいました。
ほんと、「ワタ」みたいです。
ただその分、写真が撮りづらくて……
右の写真、見えるかなあ?