第47話
《“夏まつり”の踊りは浴衣で……?》
7月25日
胸は?っても、それはそれほどでもないけど、
でもそれなりに色っぽいんだからネ、って、
自分的にはそう思っているんだけどな……
いえ、ちょっと。みんなに言われたから。
病院の夏祭りで、
「浴衣(ゆかた)を着ようか?」
って話で盛り上がった時のことなんだけど、
それならどんな柄のがいいかって、
あれこれ話していたら
みんな私にそう言うんだものね。
祖父は、
「浴衣がよく似合う」
って言ってくれるよ。
それに祖母の若い時にそっくりだって。
「美人だったんだぞ」
っていつも自慢しているんだから、本当だよ。
でも祖父は浴衣を着ている女性には
誰にも同じ事を言ってほめるし、
私の記憶の中での祖母も
もうしわくちゃだったしな。
古い白黒写真だって小さいし鮮明じゃないし……
で、結果はどうなったかって?
それが、
「出社に及ばず」
だから、つまり、
私が少し熱があって、セキもあって、
「患者さんにうつしたら大変でしょ!」
って、休むように言われたの。
踊りのかけ声で
「駅まで届け!」
なんて秘密特訓までしたのにね。
あんなに大さわぎしておいて……
だから今度はドジとかマヌケとか。
ほんと、私もそう思うもの。
第46話
《夏はやっぱり“ふるさと祭り”で
賞金10万円ゲット!!》
7月21日
夏休みシーズンになりました。
お正月と同じく“ふるさと”へ帰省する人が
特に多くなる時です。
友達なんかに聞くと、
“故郷(ふるさと)”っていう言葉からは
何とも言えないなつかしさ、
哀愁とは少しちがう胸苦しいような
言葉では表現できない独特の思いが
わき上がってくるそうなのですが、
「駅、こんなに小さかったっけ?」
なんていうそんな会話の中で
以前よりおしゃれなその服装とお化粧が
私にはちょっぴりうらやましい季節です。
さて7月31日は恒例の
新十津川ふるさと祭り!!
30日の前夜祭花火大会、
打ち上げ場所は“とっぷ川”岸脇の
札沼線の線路跡近く。
だから川の堤や新十津川橋周辺は
絶好の花火ポイントだよ。
みんなと“ゆかた姿”でくりだすんだから。
祭り本番も一日中色々なイベントがあって、
写真のように毎年大にぎわい。
特に「泥(ディ)ブリッジ選手権」は
観客も大声援で盛りあがるんだからネ。
思わず笑っちゃうのもあるんだけど、
何たって優勝賞金10万円だもの。
当日会場受付だから、
さあ、あなたも挑戦!!
第45話
《宿泊に温泉・バンガローはいかが?》
7月20日
夏休みの計画はもうおすみですか?
北海道を旅する時は、
新十津川町に、そして駅に
ぜひ立ち寄ってね。
周辺への中継基地としての宿泊には
ホテルグリーンパークが良いわよ。
通常1人1万円以下でリーズナブルだし、
料理も環境も抜群。
新十津川駅からはタクシーになるけど、
滝川駅からは中央バスが1日4便、
20名以上なら送迎バスも。
家族連れ、友人グループには
隣接の青少年交流キャンプ村がおすすめ!
これ、意外と知られてないみたいで穴場だよ。
大人だけでも宿泊可能だから、
ペアもいいかもよ。
テント、バンガロー、ロッジ
肉、魚、野菜など食材も新鮮で廉価(れんか)だし、
みんなで星空を観ながらバーベキュー
なんてステキでしょ?
大人500円でホテルの温泉にも入れるし
お父さん、幹事さん、
「さすが!」
って、きっと喜ばれるからネ。
第44話
《“130円”のお弁当だよ!》
7月17日
中空地の商業中心は隣の滝川市、
大型スーパーも数店あって、
砂川市、赤平市、歌志内市、雨竜町他
周辺の市町村からも買い物客が。
そんな中、ここ新十津川町では店それぞれが
小粒でも山椒の実のごとく
その独自の存在感を見せています。
その一つが「スーパーSAIGUSA」
「130円弁当ゲット!」
などと駅ノートにも記載がありました。
実際には260円なんだけど
それが夕方には惣菜物含め半額に。だから
「作るより安上がり」
って、それを目当ての人もいて。
ただ種類が少なくなっていたり
売り切れの時もあるからご注意!
詳しい人の話だと、冬は5時過ぎに、
夏は6時~6時半くらいから。
雨の日はもっと早いようだからネ。
お昼のお弁当として景色の良い場所で、
列車に乗る人は駅弁代わりに、
なんてどうですか?
こんな値段で可能なのは、たぶん
ここ新十津川は北海道有数の米作地帯だし
新鮮な魚も安いからだと。
午前10時過ぎには作りたての
ホッカホカお弁当が並ぶよ~
もちろん、その場で温めも可能です。
場所は新十津川農業高校の正門前!
第43話
《“ふらの” ラベンンダー ②》
7月15日
まず最初に
「ごめんなさい」
本当はラベンダーに合わせて
もう一度“ふらの”に行く予定だったのに
どうしても時間がとれなくて。
だから今日は前回撮った写真の説明です。
“ふらの”が今のように有名になったのは、
何と言ってもフジテレビ(北海道文化放送)の
ドラマ「北の国から」があってのことでしょう。
また、その脚本を執筆した倉本聰さんが
“ふらの塾”を開校し、絶えず情報発信してきた
ことがあるのは言うまでもありません。
そしてそれより何より、
ドラマの登場人物たちの人柄や家族の生活ぶりが、
視聴者の好感を呼び、
ここ北海道人そのものといえるその人間性を
全国津々浦々に伝えてきてくれたことに
いくら感謝しても足りないくらいです。
私の家族は全員大ファンで、
私も初期のDVDから全部観ました。
その撮影ロケ地跡には
多くの人たちが訪れています。
五郎さんが今もそこに住んでいる錯覚に。
皆さん、ぜひにネ。
でも新十津川経由だよ!!
第42話
《おじいさんの古時計》
7月13日
新十津川駅の待合室の壁に
古い“振り子時計”がかかってます。
“おじいさんの古時計”
の歌詞だと
「もう動かない……」
ということになってしまうのだけど、
この時計はちゃんと時を刻んでま~す。
正確に言うと、動くようになりました。
ただ、当初病院に送られてきた時
針は止まったまま。
器用なスタッフがなおしてくれたんです。
さすがここは病院!!
時計の裏側に
「昭和29年8月3日」
と記載が。
たぶん購入日なんでしょう。
昭和29年は西暦でいうと1954年だから
人で言うともうすぐ60歳、まだまだ現役。
「ボーン、ボーン、ボーン」
時を打つ鐘音が駅舎内に響き
とても良い雰囲気をかもちだしています。
ただ、ちょっと気まぐれ。
待ってても時間通りに鳴るかどうかは……?
ここは終着駅というか行き止まりの駅、
聞けたら00000くらいで許してネ。
第41話
《花飾りだよ~ ③》 7月11日
コスモスの芽が伸びてきました。
予定面積を増やしたことで種も10万粒以上に。
そのためまた新たに重機で草を取り除き
土を入れ替え……
その間に新十津川駅を訪れた旅人には
につかわしくないその土木工事跡に
興をそがれたのではないかと心配しています。
でも花が咲くころにはきっと、
きっと満足していただけるのではと期待を。
ぜひまた来てくださいネ!!
これら作業は女性には無理だからと
ほとんど保全課の人たちの負担になりました。
本当にご苦労さまでした。
花は植える事より手入れをする方が大変です。
水切れになったら枯れてしまうし、
かといってやりすぎても根腐れでだめ。
患者さんをお世話するがごとく
臨機応変に注意深く対応しないと。
そうとはいいながら、保育所含め
スタッフの70%は夜勤当直勤務があり、
また土で汚れたまま院内には入れない事などから
今のところ保全の人たちを頼みにした作業が多くて。
“萌えの丘”のルピナス(第35話)を教訓に
わたしたちもガンバリます。
第40話
《学園都市線 それとも札沼線? その②》
7月9日
これからこの日記では、内容に応じて
“札沼線”の名前も使います。
前回の掲載後、こんな事を知ったからです。
「新十津川駅は開業当時から終着駅だった」
と。とすると、
「じゃあ、最初は札幌から
新十津川までしかなかったんだ?」
ってみなさん思われるかもね。
私もそう思ったもの。
違うんです。逆なんだそうです。
1931年 (昭和6年) 10月、
石狩沼田の方から線路が延びてきて、
「沼田駅」~「中とっぷ駅」(現・新十津川駅)
の間でまず開業したらしいのです。
「その後、札幌からも延びてきて、
全線つながり“札沼線”になった」と。
それが今は沼田までが廃線で、また
新十津川が終着駅になってしまったわけですから、
不思議な運命ですネ。
こんなエピソードを聞くと、
「札沼線」も使わないと
スタート駅だった石狩沼田がかわいそうでしょ?
これらのことは、地元でずっと札沼線の資料を
集めているMさん(第22話で草刈を)の
「新十津川駅の歴史」(駅に置いてあります)
に詳しく書かれてるから読んでね。
第39話
《中空知の“七夕(たなばた)”》
7月7日
今日は“たなばた”です。
旧暦上の8月だと
年に1度の彦星と織姫星の出会い日。
その説話だけでもロマンティックなんだけど、
こんな星降る夜は何か人恋しくて
一人物想いにふけってしまいます。
特に中学生の頃、夜空を見上げながら
そんな気持ちがしたのを思い出します。
ここ中空知では、街中の人でも、
車で10分も走れば、人工の光に邪魔されることなく
天空を横切る無数の星の流れを観ることができます。
とてもステキなんだからネ……
沖縄を除くとこの時期全国的に梅雨時だから、
このすばらしさを満喫できるのは
北海道人の特権かもね。
だけどひとつだけ不満というか
「これって変なの?……」
ってずっと思っていたことが。
小学3年生の時だったと思うけど、
東京の義叔母が
「どうして七夕のかざりが竹じゃないの?」
って。
「えっ!? それってどういう意味?」
当時子供心にショックで……
実はこの辺りは豪雪と寒さで竹が育たず
親指ほどの根曲がり竹しかないんです。
それも山中にしかないから見つけるのが大変。
だから七夕かざりは柳の木に。
それならどこにでもあるからね。
でも、これやっぱり変ですか……?
第38話
《わたし、スピード違反だって……??》
7月4日 「ちょっとスピード出しすぎじゃない?」
これ車の運転で時々言われるんだけど、
場所によってちょっとオーバーするだけ、
あくまで安全運転なんだからネ。
今日の話題は私のその
「飛ばしすぎ」についてなんだけど、
ただそれは運転ではなく日記のこと。
「そんなハイペースじゃ途中でダウンするわよ」
って、友達もみんな。
週1回のはずがここのところほぼ週3回。
「う~ん、そうかもな……」
とは思うんだけど、これも性格なんです。 「走り出したらとまらない」
それにこんな話を聞いたから。
「もし列車に50人乗ってきて、
駅でも50人待っていたら大事件だろうね」
それはそうですよね、大事件、大混雑。
でも良く考えたらたった??100人。
そんな風に考えたら
「何とかなるかな」
なんて、そんな00な夢も空想の中では……
でも札幌だけも170万人いるんだからネ。
だから
「せめて合わせて30人を」
とこれは現実の目標で、
人の増える夏休みまでは私なりに疾走してみます。
これ達成できたら私たちスタッフだけでなく、
患者さんも大喜び、大事件、大ニュース、
窓からみんなで手をふりま~す。
第37話
《“日本たんぽぽ”と“西洋タンポポ”》
7月2日
友達が
「いまここもそこもタンポポが」
って話してたら東京からの人に
ふしぎそうな顔をされたらしいの。
「どこに?」
という風な……
「いえ西洋タンポポのことなんです」
って言い直したらしいんだけど、
そしたらよけいに。
どうも北海道で云われている西洋タンポポって、
関東のそれとは違うらしいんです、
その人に言わせると、ここで言うタンポポが
「きれい」
だって。群生してるとなお良いらしいの。
このあたりの人たちからは
「根が深くてとりにくいし、増えすぎて困る」
って云われてるのにね。
でも視点を変えてあらためて観て見みると
「けっこうかわいいかも。それに一面に咲くと
見ごたえも」
そんな気もしてきました。
新十津川駅も線路わきにいま満開だよ。
第36話
《“ピンネシリ山”登頂マラソン……
これ大変じゃない?》
6月30日
ピンネシリ山はここ新十津川町平野部から
ほぼどこからでも観えることから、
町の人たちには夫婦山と同様、
ふるさとの景色そのものとも言えます。
ピンネシリはアイヌ語で男山、
かといって標高1100mですから
決して高い山ではないのですが、
名前通り日本海からの深い積雪、そして
中空知平野部に酷寒の冬将軍を吹きおろし、
周辺が緑で覆われ日差しをさけたくなる7月にも
まだ残雪をうかがうことができる厳しい山です。
そんなピンネシリ山に
「登頂マラソンを!」 かかん という冒険的というか果敢な企画が
毎年7月の第1週日曜日に開催されています。
全道から、時には海を越えた参加者が。
ファミリー、15キロ、30キロといくつかの
コースがあり登頂組は往復42キロ。
その最過酷なコースに昨年51名挑戦者がいて
内、女性が6名だって……すごいですよネ
私ですか?
そんなの、もう聞くだけ00……
だけど、ファミリーだと6歳とか
30キロには80歳前後の人、
「景色も良いし毎年楽しい」
って常連の人も。
参加費用はかかるけど自衛隊の応援もあって、
途中途中に給水所、熱中症対策も万全。
それに終わった後は温泉と食事付だからね。
私もやっぱり来年までにちょっと体をきたえて、
「15キロなら何とかなるかな?」
なんて思っているんだけど
誰か一緒に走ってくれたらな……
第35話
あしもいえき もえ 《明日萌駅と萌の丘》
6月27日
駅ノートを読んでてわかったんだけど、
ここ新十津川駅を訪れる旅人に、
留萌(るもい)本線への人や、またそこを経由してから
の人も多いんですネ。
その留萌線の中に「明日萌」(アシモイ)という
古びた小さな駅があるんだけど、
NHK朝のテレビ小説「すずらん」の
舞台になったところです。
今や世界標準語となった“萌(もえ)” という言葉は、
この主人公から始まったって聞いたけど……?
正式には恵(え)比島(びしま)駅。
「これ、感じの良い名前」
って、ドラマ上での名前を
そのまま残したんですね。
私としては自分と2文字が同じことで、
明日萌の方に親近感を。
「萌(もえ)の丘」というのは、そこから
沼田町に向かう田園の右方向にあります。
全景360度のすばらしいロケーションで、
その丘陵広くルピナスの花が
咲きほこることでも有名なところです。
その満開の時期は新十津川駅より少し遅くて、
本当ならちょうど今が見ごろのはずなんだけど、
「昨年の暑さと雨で根腐れをおこし
多くが枯れてしまった」
と、テレビで。
「そろそろかな? ここでも紹介しなくちゃ」
って準備してただけにとても残念……
またあれだけの広さを再現するのは苦労多く、
とても大変な作業だと思います。
でもこれまで以上にステキな、
そして驚くような花畑にして
ぜひみんなを魅せてください。
期待しています!!
第34話
《駅への訪問者が……》
6月24日
少しずつだけど駅を訪れる人が
増えているようです。
列車が止まった時など、
ふと窓からのぞいて見るんだけど、
リュックを背負って写真をとっている人、
案内図を見ている人などをみかけます。
それに車で訪れる人などもけっこういて、
さらに最近小学生の団体まで。
「みんなから愛されてる!」
って、とてもうれしくなります。
北海道は梅雨もなく、夏は湿気も少なく
植生も含め全体が高原のようなところです。
白樺林なんかはどこにでも。
とても快適!!なんだからネ~
そうだ、こんなことを聞きました。
日に3便の内、最終は18時56分着なのですが、
大きな荷物を持った若い女性がおりてきたそうです。
むかえには母親らしき人が。
帰省にあたって、あえて学園都市(札沼)線を、
新十津川駅を選んだのですね。
本当に本当に感激!
他にも何人か写真をとっていたそうだから
まだ明るくて良かったで~す……
第33話
《“ふらの”ラベンダーと各駅停車》
6月22日
花といえば
富良野の“ラベンダー”が全国的に有名です。
今年はちょっと遅れているそうですが、
「7月初旬からが観ごろになるのでは」
と聞いています。
他にも色々、その時“ぼたん”が
大きな花を咲かせていましたが、
今週末あたりはちょうど
“しゃくやく”ではないでしょうか。
北海道の人たちだって
余りぴんとこないようですが、
富良野はここ新十津川から
列車でも車でも案外近く、のんびりと
山を越えていっただけのところです。
列車での場合は滝川駅始発の根室本線で。
ただ本線とはいえ単線だし
1両編成でしかありませんが、
各駅普通列車でも1時間ちょっとです。
シーズンは札幌から滝川駅経由の直通特急
“ふらのラベンダーエクスプレス”も
運行されていますが、
それにあえて逆らい
各駅停車の学園都市線で新十津川駅へ、
そして滝川駅まで徒歩で散策し、
そこから富良野に向かうツワモノもいます。
のんびり北海道の景色と人情を、
そんなぜいたくな旅を楽しむ人たちです。 あなたもいかがですか?
車の人だって、行き帰りには
ぜひ新十津川駅に立ち寄って下さい。
とても良い季節なんだからネ~
第32話
《“ぐい飲み”を買ったよ!!》
6月20日
新十津川陶芸まつりの19日は父の日でした。
父へのプレゼントを買った後、
「マイカップを!」
と陶芸市をみてまわっていたんだけど、
ちょっと気になる“グイ飲み”があったものだから、
「そうだ、みんなで飲もう」
って気が変わり、“グイ飲み”にしました。
祖父、両親、私、そして東京に行っている弟、
「これは誰にいいかな?」
そんなことを思いめぐらしながら
結局3店で2個ずつ買って、計6ケ。
「でも、ラッキーセブンに」
なんてもう一点。
これって、いつものことなので……
どんな“ぐい飲み”かというと
昔風の丸型でオーソドックスなもの、
洋風の影響で少しスマートだけど色合いの渋いもの、
そして形も変わっていて季節を感じさせる花柄と、
その時その時の気分に応じられるよう考えました。
父ですか?
もちろん、母もいっしょに喜んでくれました。
それよりまして祖父が
「これはいい! 酒がうまい!」
って、母の作ったつまみに舌づつみをうちながら
至福の笑顔でご満悦でした。
だから私もちょっと?お付き合い……
第31話
《パワースポット“霊水(れいすい)”その②》
6月18日
昨日は夫婦山(めおとやま)の山開きだったそうです。
その山すそにある霊水、
第14話でお伝えしたように、
四国八十八ケ所の石仏があるのですが、
新十津川神社の小さな社もあって鳥居までも。
「何で神社とお寺がいっしょにあるの?」
って思ってたら、祖父が
「そんなのあたりまえ」
だって。
「うそ~??」
やっぱり変ですよネ。
私、まさかまさかとは思ったんだけど、
一応ネットで色々検索してみると、
そういった事、くわしい人達がいるんですね。
「弘法大師(こうぼうだいし)(空海(くうかい))開祖(かいそ)の高野山(こうやさん)と
陰陽師(おんみょうじ)でも有名になった丹生(にゅう)都(つ)姫(ひめ)のその神社は
姉弟というか元々一体的のものだった」
そうです。お寺と神社の混在です。
だからこの両者が熊野(くまの)古道(こどう)などといっしょに
ユネスコ世界遺産に登録されたのかも……
それに四国八十八ケ所の内、
2ケ所はお寺ではなく神社だって。
これこそ
「本当に!?」
ですが、その一つ
奈良県吉野山の仙人伝説・千里を飛ぶと云われた
“役(えきの)小角(おづぬ)(実在の人物)”が開山者で
また“弘法大師”も修業した
西日本最高峰の霊山石(いし)鎚山(づちやま)の石鎚神社が
本来の八十八ケ所第64番札所で、明治時代
神仏分離の波の中で前神寺(まえがみじ)となったそうです。
「じゃあその石仏は?……」
と探してみたら
「あ、ありました。ご本尊は阿弥陀(あみだ)如来(にょらい)」
おとなり第63番吉祥寺(きっしょうじ)には戦いの神・毘沙門天(びしゃもんてん)と
神様(かみさま)仏様(ほとけさま)、それも色々な宗派(しゅうは)が一杯。
益々パワーがもらえそうだから
霊水をコップ3杯も飲みました。
第30話
《大きな大きな“フキ”だよ~》
6月16日
北海道には大きな「フキ」があります。
ただ、雪の中から顔を出した「ふきのとう」は
かわいくて、また気持ちも晴れやかに
ほほえんでしまうのですが、
背も高く葉も大きく広げる季節になると
さすがにうんざり気味になります。
河川敷も、そこいらの道端だって、至るところ
「フキ」「フキ」「フキ」になるからです。
でも食べるとなるとこれは別。
祖母直伝の母が作ったフキの煮物、
子供の頃はそうでもなかったのですが
今は私の大のお気に入り。
ほのかな香りとしゃきしゃき感、
唐辛子もぴりっと絶妙の塩加減。
父も祖父もこれをさかなに酒をくみかわします。
私もこの味を引きつがなくてはならないのですが、
それが話題になってからもう幾年か。母は、
「結婚でも決まったらね」
なんて片目をつむって笑っていますが、
そんな条件だったら果たしていつになることか……
これ、考えるのはよしましょう。
小学生の頃、雨降りの時はカサを持っていても
フキを代わりにして遊びました。
本当は「あみ笠」風に逆さにして頭にかぶった方が
多少の雨よけになるのですが、
それではかわいくないでしょ?
幹を片手に「ひらり、ひらり」スキップで。
ただ、そんなことしていたら幹はすぐ折れてしまうし、
たまった雨水が急に落ちてきて衣服もずぶぬれ。
家に帰ると母が、
「カサを持ってるのにどうして!?」
って言ってたのを思い出します。
さて遊びはともかく、
みなさんもフキ料理への挑戦いかがですか?
ただし、採るのは青ブキ。
それにこれからの季節は虫にもご用心!!
第29話
《マイカップを見つけよう!!》
6月12日
今週末、18日19日は
第17回新十津川陶芸まつり。
44の窯元(かまもと)が参加するそうです。
「さあ、今年はマイカップを!」
「自分で作ってみたい」
なんて思いながら書いていたのですが、
ふと、
「開拓入植当時はどうだったんだろう?」
って浮かんできて、
そのままペンが止まってしまいました。
十津川村が壊滅(かいめつ)したほどの
大災害の後ですから、
たぶん着の身着のまま、
まして重くて割れやすい陶器なんて、
せいぜい本人用の茶碗とお皿くらいしか
持ってこなかったのではと思えます。
だから落としたりしたら大変、
生活必需品だけに、
それぞれが大切に使ったのでしょう。
窯元なんて当然存在してなかったでしょうし、
粘土をさがし、縄文時代のように
自分で作って焼いたのかもしれませんね……
そんな苦労の映像イメージが
いま頭の中をくるくる廻っていきます。
……でも、だからこそ
「ぜひ、マイカップを!」
大切に、大切に使います……
第28話
《感動!!の “絵”》
6月10日
右枠をご観ください。
これ油絵ではなく“ちぎり絵”です。
“貼り絵”“ちぎり絵”は、
映画・テレビなどで
「裸の大将」として知られる放浪の画家
山下清画伯が超有名ですが、
ここにかかげる絵もどうでしょう
「う~ん……」
もう言葉では言いつくせません。
材料は全て和紙なんだそうです。
その質感もそうですが、花、風景絵など、
構図・色合いまでもやさしくやわらかく
描いた人の人柄がうかがい知れます。
作者は金野きみ代さんといって
フォルテ(第12話・右コースで紹介)
オーナーのお母さん、
今年84歳になりました。
普通の家庭の奥さんでしたが、50を過ぎた頃
「感動したものを何か形で残したい」
と始められたそうです。
今も現役で制作中。
それにしても、ステキを通り越して
「感動!」
です。
お店のふんいきにもぴったり。
こんな素晴らしい絵に囲まれて
コーヒーを味わうのもなかなかのものですよ。
ご本人としては「ひまわり」の絵が
一番好きなんだそうです。
ぜひご鑑賞あれ。なお、
コーヒー380円、ランチ680円(コーヒー付)
漫画本もありま~す。
第27話
《それ! リハビリ踊りだ!》
6月8日
今、リハビリ踊りが流行っています。
いえ、病院での話です。
患者さんに?
最初はそのつもりだったらしいんだけど、
それが結構楽しくて、
教える側のスタッフや保育所の子供たちまで。
全員参加の日なんかもう
お祭り騒ぎになってしまうんだから。
Sさんも、
「ウェスト気になる!」
って先頭に立って。
もう、それはそれは気合入ってるわよ。
だけどSさんの場合
「終わった後、あの食欲だから……ネ?」
これ、私の話じゃないわよ。
もっぱらTさんやKさん。
でも、私も思わず2回もうなずいちゃったから
同罪かな?
「あなたは」って? それ、聞くの?
う~ん、想像におまかせ。
自分なりには00の何とかで、
それはそれなりに……
ただ、
「楽天家でいいわね」
って友達が言うからな……
第26話
《滝川市の“菜の花畑”》
6月6日
石狩川向こう岸の滝川市、
炭鉱華やかし頃から中空知の
商業中心都市です。
また旅人に、ここ新十津川駅から
滝川駅に歩く人も多いように
隣同士で
地域として一体化した部分もあります。
病院のスタッフだって
約30%は滝川市在住の人だし、
また患者さんも同じです。
この滝川市の郊外を車で走っていると
あちらこちらに菜の花畑が見かけられます。
初夏の日差しに一面が黄金色に輝き、
あたりは香水満ちた花の香り、
とても華やかで爽快な気分になってきます。
市の観光マップでそれらの場所が
記されていますが、
私はそんな中の人気スポットより、
そこらあたりの農道に車を停め、
川沿いを歩きながら一人ゆっくり
花を楽しむことにしています。
空にはヒバリ、
まるで時間が止まってしまったような
そんな異空間の世界にひたれるわよ。
第25話
《花飾りの始まり~ダヨ》
6月4日
昨日の朝から花飾りが始まりました。
新十津川農業高校からは
先生方ほか2年生38名が。
私は次回にまわったんだけど、
病院からは各科からの
第一次選抜の人たちが。
そして保育所の子供達も。
生徒さんの中には足をけがしているのに
松葉杖姿でがんばっている人もいました。
植えた花苗はその日だけで
約6000本くらいになるそうです。
道行く人や、患者さんたちも出てきて、
「これから毎日楽しみ」
と、笑顔でずっと眺めていました。
最後に担当先生のごあいさつ、
「生徒たちと昔生徒だった人たちが……」
大笑いで終わりました。
そうだ、未来の生徒たちもいましたよ。
第24話
《駅ノートが その②》
6月2日
駅ノートの書き込みが落ちていることで、
担当のACEさんも少し落ち込んでいます。
列車はもちろん、車での人も、
新十津川駅を訪ずれたら
その時思い浮かんだこと、
ぜひそのままつづってみてください。
彼女もみんなも期待しているんだからネ。
絶対だよ。
私も日記担当になって3ケ月、
春が終わり夏バージョンに。
「こんなのでいいのかな?」
と、時々不安にもなるけど、
私の場合、すぐ忘れる性格だから……
ただ町の事を良く知るようになりました。
「こんなところがあったの?」
なんて思うこともしばしばです。
それに見慣れたつもりの景色でも
あらためてよく観てみると。
「なんだ、いい町だったんだ」
って、最近。
今後の目標は、
自分の力でネットに
掲載できるようになること。
原稿が掲載された後に、
すぐ直したくなるから
担当の人にも迷惑をかけっぱなしなんです。